全国体育学習研究会 - ZENTAIKEN Web Site

全国体育学習研究会
 
表紙
2012年
祝賀会(8.4)NEW 
2011年
菊幸一(7.21)NEW
 スポーツ宣言日本
2006年
島田左一郎(3.1)
第50回全国体育学習研究協議会長野大会を終えて

                                   全国体育学習研究会
                                   長野大会実行委員会研究部  島田左一郎

全体研長野大会を振り返ったとき、長野市での開催が決まった平成13年度のことを鮮明に思い出します。当時数十名にものぼる長野市会員の中で、全体研に参加した経験のある者は2〜3名でした。「長野市会員は全体研のことを全く知らないから、全体研常連のお前が研究に携わってくれ」と依頼があったことから、すべてが始まりました。「全く知らないならば、真っ白なキャンパスに色を塗るが如く、私が知る限りの全体研を長野市会員にレクチャーし、着色していけばいいんだ。」程度に考えて簡単にお引き受けしました。

そころが平成14年度に入って、長野市の研究会に久々(10年ぶり)に参加してみますと、予想していたこととは大幅に違っていたことが分かってきました。甘かった自分を腹立たしく思ったものです。長野市の会員は“全体研を知らない”どころではなく“かなりの部分を知っている”ことでした。ただ、「もうすでに全体研の時代は終わった」、「文科省関係者も楽しい体育ではだめだと言っている」、「楽しい体育では、身に付けなければならない力が付かない」、「楽しい体育はただ子どもが楽しく活動をしていればよい」などの、どちらかというと否定的な、偏った理解の仕方がほとんどであったのです。

悲しいかな、文科省が提唱した“めあて学習”と全体研で言う“楽しい体育”の混在化がこの長野市ではみごとになされ、大部分の会員が“全体研の楽しい体育”=“文科省のめあて学習”であると思い込んでいました。その“誤解”が大きな混乱を引き起こしていました。

しかしたとえ原因が分かったとしても、誤解を“それは誤解である”と認識して、それらの誤解を解くには、多大なる時間と労力が必要であります。まさに平成14年度からの研究は、それとの戦いでした。全体研会長の佐伯先生に何度か長野市に出向いていただき、授業を見ては批評をいただき、“全体研の楽しい体育”に関する講演会を開催したりして推進したものの、「長野の先生方は“分からない”のではなく“分かろうとしない”のではないか」と言われるほど、“誤解を解く”ことには困難を極めました。

そんな中、授業論に関しては「全体研の楽しい体育が出現した頃に回帰しよう」ということで、初心に戻って、基礎研究からスタートしました。『体育学習を子どものものに』をスローガンに掲げ、楽しい体育の理念を実践に移すための指導案の作成や、それらの授業への移行あり方の究明、そして、楽しい体育を進めていくための、指導活動などに焦点を置いて研究を推進しました。平成16年度になると、少しずつ“誤解”が解け始めました。すると長野市会員の持ち前のパワーが全開となり、そこへ長野県体研研究部からの応援もあって、研究が急速に深まってきました。
平成14年度から始めていた、楽しい体育の理念に基づいた“カリキュラムのあり方”にも進展が見られました。小学校での特性論に基づいたカリキュラムの方向付けが、実証によって確認され、そして高等学校の授業提案が加わったことにより、選択制でのカリキュラムのあり方が熱心に議論されるようになってきました。

長野市の会員にとって、平成17年度は大変な中にも充実感を伴った楽しい研究ができたものと思われます。新たな種目(体操、ダンス領域)への挑戦があったり、グループ学習の再確認(ボールゲーム、個人種目)があったり、低学年では総合型単元ではないものを提案しようと試みたり、中学・高校では選択制のあり方に取り組んだり、まさに“全体研の楽しい体育の理念”に基づいた様々な研究が飛躍的に推進されました。
膨大な数の事前の授業公開、また研究会を経て本番にのぞみましたが、研究スタッフをはじめ、多くの会員が納得のいく提案をすることができました。それらがすべてが“つみかさね(480ページ、2月中には送付)”に凝縮されています。是非ご一読ください。